実 戦 ギ タ ー 合 奏 入 門

 

 

 

 

 

佐野正隆

 

 

 

 

教え上

TO

習い上

 

 

 

 

 

 

 先月号ではメジャーコードとマイナーコード、それにセブンスコードのお話までしました。ここでハ長調の音階の各音の上に3度と5度(同じ音は1度、となりの音は2度と数える)の音を積み上げて、それぞれが何の和音になるか考えてみましょう(譜例1)。先月号で説明した左手を使って考えればすぐに答えが出ると思います。シに3度と5度を積み上げるとファで今まで説明したどの和音にも属しません。これはデミニッシュコード(減七和音)と考えるか、もしくは3度下のソが省略されたG7/BG7の和音で低音がB音)と考えてください。単純に考えると、これらの和音でハ長調の曲の和声付ができるということになります。例えばメロディーがドミソでできていればその部分はCのコード、ファラドでできていればFのコードとなるのです。しかし、残念ながらどんなメロディーももう少し複雑でコードの和声音以外の音も必ず加わってきます。その音のことを非和声音というのですが、どんな音でも非和声音になれるわけではありません。いくつかのきまりがあってこれらのいずれかに当てはまれば非和声音となり、当てはまらない場合は、和声付けが間違っているか、メロディーが間違っているかのどちらかです。それでは非和声音を種類別に紹介しましょう。譜例2の()は異なる和声音の間に入る音で2度進行していることが条件です。()は同じ和声音の間に2度違う音が入っている場合。()は和声音より2度違う音から次の和声音に移行する場合。()は和声音より2度違う音に移行した場合。()は和音が変わる時に前の和音内で次の和音の和声を先取りした場合。()は和音が変わる時に前の和声音が次の和音内まで残ってしまった場合。()は和音が変わっても低音だけが変わらない場合。()はメロディーの和声は変わっても伴奏パターンが変わらない場合。以上のような非和声をよく覚えておいていただくと、練習中の曲の中で不可解な音が出てきても理論的に解決することができます。ただし、ここまで説明したことは和声学のごく一部を分かりやすくお話ししたにすぎません。これをきかけに少しでも興味を持っていただき、さらに奥深くまで学んで欲しいと思います。そうすれば伴奏の付いていないメロディーに和声付けをしたり、楽譜のミスを発見できたり、アドリブ演奏ができたりもします。また、さらに編曲や作曲をすることも可能です。ぜひチャレンジしてみてください。