アーバンギター合奏団 レッスン記  (佐野正隆)

(アーバンギター合奏団にレッスンの依頼を受けて初めての日)

先生:皆さん、こんにちは!今日は初めてのレッスンですので、皆さんがどんな練習をしているか何か弾いて頂けますか?

Aさん(責任感の強い48歳女性、血液型Aの団長):では次のコンサートに出す予定のバッハの管弦楽組曲第2番よりロンドを演奏してみます。

(演奏が終わり、まあまあ弾けてホッとする団員たち。しかし、実際は結構バラバラだったので・・・

先生:えーと、あのー良く弾けているのですが、全体的にはバラバラなのが残念ですね。まず合わせられることが第一歩で、そこから曲作りが始まると思ってください。

Bさん(はっきりものを言う32歳のB型女性):ということは、私たちの演奏は第一歩の手前で、かなり下手くそなのですね?

Cさん(陽気な20O型の女子大生):うっそー!

先生:下手だということではなく、音楽には色々な要素がありますから、その中の合わせるということがうまくいっていないということなのです。皆さんは演奏しているとき、他の人の音を聞いていますか?もしくは全体の響きが聞こえていますか?

Dさん(某会社取締役 58歳A型男性):もちろんです。音を聞いていないと弾けないし、全体の響きも結構きれいだと思いますが。

Eさん(定年後にギターを始めたAB型の62歳男性):私は自分のパートの音を聞くのが精一杯なので、全体のことは良くわかりませんね。

Fさん(入団1年目の30O型男性):私はどっちか言うと自分の音もちゃんと聞いているかあやしいかもしれないですね。

D:(そ、そうなの?)

先生:何方か録音するものを持っていませんか?

A:私はいつもこのコンパクトのカセットテープレコーダーで録音しています。今のも録っていましたけど。

先生:じゃあ、ちょっと聞いてみましょう。(テープを再生して皆で聞いてみる。しかし、)

C:うわぁー、マジ汚い音! で、すごく聞き取りづらい。

先生:皆さんの音はこんなに汚くは、いやっ、もっときれいな音ですよ。内臓マイクで録っているからモーター音も入るし、カセットテープは高音や低音がカットされて実際の音よりはるかに汚く聞こえるのです。だからこれを聞いてあまりがっかりしない方が良いですよ。

A:この公民館では録音機材を借りられるので、それで録ってみましょうか?そこにあります。

先生:いいですね!これはMDだし、外付けマイクがあって、しかもコンデンサーマイクですね。これはきれいに録れますよ。(もう一度演奏をMDで録音して聞いてみた。)

C:今度は結構きれいな音! でもかなりバラバラ!

D:もっとピッタリ合っていると思っていたのですが、あちこちでずれているのですね。

先生:演奏している時は弾くことに夢中になっていて、他の人の音がはっきり聞こえていないのですよ。

A:じゃあ、どうすれば他の人の音を聞いて弾けるようになるのですか?

先生:それはですね・・・・       つづく〜